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COLUMN 2015年2月

アップルは建築的にも魅力がいっぱい

今度中国杭州にオープンしたアップルストアはシンプルで美しい。
なんと表は15m高さのガラスのはめ込みしかなく柱の存在が無い、両側からの梁の存在もなく、屋根面まで薄いのでパネル構造になっているのかなど頭がよぎる。2階部分キャンティーで出ている光天井もそのまま2階の床面でそこも柱の存在が無い。
これを手がけているのはイギリスの建築家ノーマン・フォスター氏、今アメリカで円形のアップル本社を建設中でそれも手がけている人物です。
20年ちょと前になますが、香港へ行った時、香港上海銀行本社ビル(同氏設計)の中を見学した時その凄さに圧倒した記憶があり、金属とガラスで構成された建築は当時は近未来的なイメージですごく感動しました。
今はそのイメージをより繊細に出来るだけ金属的なものを可能な限りそぎ落とした方向へ行っているようです。

ap2.jpg
2年程前に計画した住宅で施主より円形のガラス階段のご希望で計画したことがあり、その時はアップルストアのNY5番街のガラス円形階段を参考にしてガラスメーカーと階段製作の横森製作所と打ち合わせしたことを思い出します。
ガラスはセントリガラス/デュポンで12mm+フィルム付3枚合わせ強化ガラスで両サイドに爪を出して裏側からステンレスボルトの化粧止メで設計しましたが、杭州の階段はボルトが無いようですね。差し込みだけみたいです。
残念ながら自分の物件は実現はしませんでしたが、この階段造ってみたいですね、美しい!!

和もスッキリ!

2008年完成 SUGI-House(佐賀県)                                           Photo:M.Itoh

最近は和室空間を住宅で取り込む機会がかなり減ってきている。特に都心部で住宅を建築する場合、都市部に近いほど敷地面積がかなり狭くなる傾向にあり建ぺい率の関係からも1階の部分は限られたす空間の玄関、水回り、LDKスペースでいっぱいとなり和室空間も取り込むことが難しいことが多くなって来ている。
和室空間のある住宅が完成した時いつも思うことだが、住宅で一番落ち着く場所がこの和室空間であることが多い、最近畳に座ることが少なくなり、欧米的生活の椅子のある生活に慣れ浸している現在、時に畳に座ると懐かしさと落ち着きが生まれるのはやはり日本人だなと思わせることがある。
出来れば狭い和室でも構わないと思いますが、ぜひ住宅には和室空間を一つ欲しいものです。

自分の設計する和室空間の場合できるだスッキリと見せるようにディテールを色々と考えているのですが、壁、天井部との取り合い部、障子、ふすまの納まり、照明の仕様・配置、それと畳、琉球畳はスッキリしていいのですが、どうしてもコストを考えた時に一般畳になることが多いのですが、その時は畳縁の色を考え、畳が焼けた時に(小麦色)色が馴染むように畳の小麦色に近い色をいつも選んでいます、そうすることで縁の存在を少しでも消し去ることが出来、スツキリと見せることが出来ます。

建具の場合、上記の写真で壁と襖の区別が分からないようなスツキリした襖のディテールにしています、上下左右の木枠は最小にとどめ壁、襖の区別を無くした納め方にしています。

可能な限り和室(狭くても)を住宅に造ることを是非オススメしたいと思います。
以前、3帖も無い和室をリビングサイドに作った時、この空間が最高に落ち着く・・と感じたものがありました。

階段ディテール

2階建て以上の場合毎回悩む場所が階段のディテールです。最近は閉ざされた階段ではなくリビングなどから上階へ開放的な階段を好む傾向にあり、それが上にディテールをしっかりと(シンプルに)考えないと空間のイメージ全体が損なう箇所でもあります。安く出来て、ゆったりと登れて、安全にそしてカッコ良く・・・。
手摺支柱、手すり子などは金属の特性から可能な限り細く繊細にしたいと思うし、ササラ部分と手すりの止め方のディテールもシンプルに強度を考えながら簡潔に・・なかなか階段ディーテールは毎回難しいと考えさせられる。
毎回どこか少しづつ修正しながら階段ディテールを考えてますが、最終形はまだまだ先になりそうです。

stear02.jpg

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